大型の重機を製造する現場では、マテリアルハンドリングが大きな課題となることがあります。この事例では、Terex OmaghがMaterials Processing部門でフォークリフトを使わない工程をどのように実現し、より安全で効率的な運用につなげたかをご紹介します。
Terex Corporationは、建設、採石、リサイクル、鉱業などの業界向けに重機を製造する、米国発のグローバルメーカーです。北アイルランド全域に強力な製造基盤を持ち、9つの拠点で1,800人以上が働いています。
最大級の拠点のひとつであるオマーの中心部では、Powerscreen®およびTerex Finlay®ブランドの製品が製造されています。このオマーの拠点で、Materials Processing部門が、移動式クラッシャー、スクリーニング機器、コンベヤ機器の設計・製造を行っています。
世界最大級の移動式クラッシャーやコンベヤシステムの製造には、工場内の物流面ならではの課題が伴います。製造工程では、大型のサブアセンブリ、シャーシ、クラッシャーが、生産棟を通って最終組立とテストの工程へと移動されます。
同拠点では、インパクトクラッシャー、ジョークラッシャー、コーンクラッシャーなど、さまざまなクラッシャーを製造しており、破砕チャンバーは最大18,000kg、大型シャーシは平均で全長約16mに達します。そのため、これほど重く大きな部品を施設内で移動させることは容易ではなく、最近まで大型のディーゼルフォークリフトに頼っていました。
Terexには、「ゼロ・ハーム(労働災害ゼロ)」というビジョンを支える複数の安全ロードマップがあります。このビジョンは、安全性を継続的に改善するために、事業全体のあらゆる人が取り組むものです。より広い安全ビジョンの一環として、Terexは、製造施設内で資材、部品、設備がどのように運搬・移動されるかに焦点を当てた、マテリアルムーブメント・ロードマップを策定しています。
Terexの安全ロードマップに沿って、オマーのOperations Improvementチームは、社内の製造エリアからディーゼルフォークリフトを削減、さらには排除する方法を探していました。特に、18,000kgのチャンバーサブアセンブリやシャーシを、生産工程を通して最終組立ホールへ運び出すための、より安全な方法を求めていました。これらの作業はこれまで、建物間で荷物を移動させるために大型のディーゼルフォークリフトに頼っていたほか、チャンバーやシャーシを生産ホールまで運んで荷下ろしするために、商用トラックも必要としていました。
Terexのような重機メーカーにとって、大型のサブアセンブリをディーゼルフォークリフトで移動させることには、さまざまな課題が伴います。
安全ロードマップ、とりわけマテリアルムーブメント・ロードマップの一環として、Terex Omaghのチームは、重量物を精密かつより安全に移動させるための代替ソリューションの検討に着手しました。
検討の結果、同チームは電動牽引車が有力な解決策になると判断し、ソリューションプロバイダーであるMasterMoverとの協業に焦点を当てました。ダンガノンやコールビルなど、Terexの他の製造拠点ではすでにMasterMoverの電動牽引車が使用されていたため、オマー拠点のチームは、MasterMoverと協力して解決策を見つけることに自信を持っていました。
コンパクトな設計と優れた視認性により、フォークリフトに代わるより安全な手段を提供できることから、Terexは電動牽引車ソリューションの市場リーダーであるMasterMoverに連絡を取りました。MasterMoverは、Terexおよび北アイルランドのパートナーであるBriggs Equipmentと協力し、現地を訪問して移動に関する要件を評価するとともに、PS3000+のデモンストレーションを行いました。
PS3000+はPowerSteeredシリーズのひとつで、最大30,000kgの荷物を移動できるよう設計されたリモコン操作の電動牽引車です。18,000kgのチャンバーを、A棟からB棟へ、屋内、屋外、さらに傾斜面でも移動させる様子を現地デモンストレーションで確認したTerexは、このソリューションの能力に確信を持ちました。
リモコン操作に対応したPS3000+を、Terexは、シャーシやチャンバーの移動における大容量フォークリフトに代わる革新的な選択肢と捉えました。PS3000+のリモコン機能により、操作者は重量物の移動中に比類のない視認性を確保できます。そのため、狭い場所や混雑した環境で大型の荷物を移動させる必要がある重機メーカーにとって、理想的なソリューションです。
PS3000+は、チャンバーやシャーシを建屋から運び出して斜面を下り、狭い保管ヤードを横切って、再び別の斜面を上り、最終組立棟へ運ぶために使われています。オマー拠点全体にPowerSteered電動牽引車を導入して以来、Terexはさまざまなメリットを得ています。
オマー拠点に最初のPS3000+を導入した後、Terexのチームはすぐに電動牽引車の活用を広げる好機があると見て、PS3000+をさらに2台発注しました。
現在、Materials Processing部門ではシャーシ、チャンバー、サブアセンブリの移動に3台が稼働しており、同拠点ではMasterMoverの電動牽引車の活用をさらに拡大する計画です。